masaka says
沼野雄司「音楽学への招待」を読んだ。「こんな方法でも、こんな対象でも、こんなやり方でもいい、という音楽学ゆえの自由と愉しみを伝える」という序言のとおり、モーツァルト効果や図形楽譜からプロレスの入場テーマまで幅広い興味を基本的には学術的な手順を踏んで扱った7章。最後のアイスラーと非米活動委員会はFBI資料も参照してなかなか読み応えあった。戦後日本の2687作品を実証的に調べたタイトル論は興味深いがやや分析が物足りない。ドビュッシー「海」の旧題と解釈の関係もそうだが、面白そうな展開ながら半端に終わる感じなのはもったいないというかこれからというか