masaka says
演劇における作品の位置づけが他分野とずいぶん異なるように感じたので、鈴木忠志『演劇とは何か』を読んでみた。「その場で語られた言葉としてどうであったかが、演劇としての戯曲です。ですから、厳密に言えば、チェーホフ作何何を上演するという考え方はおかしい。むしろ、言語提供者チェーホフというべきでしょう」「観客と俳優が同時に共存する場で起こるもの=作品」「われわれ人間には、内面という言葉が与える印象ほどには自立し完結した独自な世界などはないのでは…表現とは他人との関係を前提とした約束事の上に成立する行為」「あらためて演劇の基本は何かと言えば、戯曲でもなければ、俳優が舞台上で演技することでもない。孤がフィクショナルな集団、仮構されたルールをつくり、それと関係をもつこと」