masaka says
リュック・フェラーリの「細胞75」を、井上郷子+松倉利之の演奏で。せせらぎと鳥の囀りのテープ音にB-C-Ges(-Es)のモチーフ、妙な電子音、そして割と生真面目な打が順に加わり、拡大しながら徐々にズレが生じる。制約の中で即興してみようともがくPfと淡々と安定した打に隠然と支配するテープ音。中間部はそのバランスが崩れて偶然性に委ねられるものの、壊れたマーチから執拗な反復パターンが冒頭のモチーフに回帰していく。「ないしょの話」は気だるく始まるがだんだん興が乗ってくる対話。「ヴィザージュI」「ソナチネElyb」はPf独奏で自由な分裂感。驚くようなことはないが、Pf的にはこちらの方が面白い。Hat Hut Records 888831581710 #nml