masaka says
太子堂正称「ハイエク入門」を読んだ。貨幣や利子、景気循環の経済理論から始まって、「感覚秩序」「自由の条件」「隷属への道」などの主要著作に現れる心理学、社会主義と自由、自生的秩序といった重要な概念を、ケインズ、ナイト、ウィトゲンシュタイン、ポパー、ポランニー兄弟、ヒューム、フリードマンなどとの関係を通して解説する。新書としては例外的444ページのボリュームながら読みやすく的確。意見(世論)と意志の違い、“社会的正義”の危うさなど、今日の問題の根底にあるものに通じる考察に富み、索引も充実して、これは良書