masaka says
岡崎乾二郎「頭のうえを何かが」を読んだ。脳梗塞で右半身麻痺となり入院した著者がリハビリの過程で描いた絵とその時の考えをインタビューでまとめた。幼児が描いたような絵が徐々にしっかりした素描になっていくのも驚きだが、インタビューで語られる強い意志と客観的な考察も驚異であり、リハビリのお手本のようでもある。健常なときは意識することがなかった脳による筋肉の制御、重力の存在とその体との関係のコントロール、統合された一つの身体ではなく体と脳がバラバラに解放されて勝手に動いているという感覚から「自分の意志を体が追い越していて、その身体の教えを受け容れて、それを自分の精神、身体として遅れて内面化していく」という自分自身を組み替える体験へ。そして道具とも会話するという発見